◇ ”まおゆう-魔王勇者-” 全5巻。

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”魔王”と”勇者”、若き(魔王は150歳以上だが・・・)二人の平和への夢
二人が助けた農奴の娘、”メイド姉”の自由への願い
辺境の貧しい国、その若き王の民への想い
軍人も商人も、人間も魔族も、皆が自らを賭けて戦う物語。
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ファンタジーだけどプロットは決して空想話だけじゃないし、ホント面白い、
久しぶりにワクワクさせてくれた冒険譚でした。
アニメやコミックでも出てるけど、機会があれば是非原作を読んでみて
頂きたい。
元々は、2chに書き込まれた即興小説だったそうですが、この作者さん
もの凄い才能だとおもいます。
でも・・・面白いお話(本)を読み終わると何時も思うのは、一抹の寂しさ^^;)。

◇ 戦争は経済学である。

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いい大人はアニメなぞご覧になら無いでしょうが・・・、最近のアニメや
ラノベは侮れません!。
今期アニメ一押し「まおゆう-魔王勇者-」っと言うお話、これは面白いです。
人間族と魔族が争い始めて15年、戦火は一向に収まる気配がない世界。
人間界の勇者は、魔王を倒さんと単身魔王城に乗り込みます・・・っが、そこに
居たのは(巨乳の)可愛い女の子ただ一人。
彼女は、我こそ魔族の王”第43代 魔王”であると宣言します。
勇者は、魔王を倒しこの戦争を終わらせると言います。
しかし、魔王はそんな事では戦争は終わらない、またもしこの戦争が終われば
もっと酷い世の中になるから、今はまだ終わらせる分けにはいかないと言います。
幾つもの国が滅び、広い森が焼かれ、大勢の人が死んだと、戦争の非道を正論で
捲くし立てる勇者。
しかし魔王は、理路整然と戦争とは何かを語ります。戦争は膨大な需要を生み、
それがこの世界の経済を支えているのだと。戦争とは政治的野心だけでも、
イデオロギー対立だけでもなく、経済活動の為に続くものなのだと。
そして、もしこの戦争が終わってしまえば、それこそ何十・何百と言う犠牲者が
出だろう。それは両種族の長達も十分に分かっているので、たとえ魔王である
自分がここで倒されても、また代わりの王たてて戦いは続くだろうと。
じつは勇者も知っています。戦地から遠く離れた中央諸国では、戦争特需で
儲けた商人や役人達が、戦火と貧困にまみれた辺境地方の疲弊をよそに、
毎夜盛大な宴を催している事を。政治家達は民衆を煽り、戦の火種を吹きつつ
安全な場所で豊かな暮らしをしている事を・・・まるで何処かのお米の国のように。
最初は魔王の言葉を訝しんでいた勇者も、魔王の真意を理解し、そして心の中を
映すと言う幻灯で魔王の想い描く世界を見て心が動きます。
戦うことしか知らなかった勇者は、戦争が終わった後の世界を治める方がよほど
重大な問題だと解く魔王の言葉に打たれました。
魔王は勇者に、「我の物となり、一緒に丘の向こう、私が夢見る争いの無い
世界を見に行こう。私はキミが来るのをずっと待っていた。」っと誘います。
ココはヨルムンガンドで”強制的世界平和”を実現させようとしました。
魔王は、”実質的平和・豊かな社会”を目指します。
魔王の夢を実現させるには、長い年月が掛かるだろう・・・、沢山の人の命を奪う
事になるだろ・・・、非道な事もしなければならないだろう・・・。
しかしそれでも、自分も丘の向こう、戦争の向こうにある世界を見に行きたい、
そう決心した勇者は、魔王と互いが互いの所有物となる契約を交わします。
こうして、知己と政治力に秀でた魔王と、行動力と武力に長けた勇者の、
(ちょい地味ぃ~な)冒険活劇がはじまりました。
いやぁ、本当にどっかに こんな政治家がいたら良いのになぁ^^;)。